嫌がる親と進めるための実家の片付け

こんにちは広島を拠点に 2007 年から整理収納の活動しております江川佳代です。
講師業とコンサル、お片付け作業、コラムなどの執筆、マスメディアにも出演しています。講座やセミナーを受講される方の中で、実家の片付けを進めていきたいけれど親に抵抗されるというケースも多くあります。

では、なぜ親は片付けを嫌がるのでしょうか?

 

 

【ポイント】

■実家の片づけ親が嫌がる理由
私たちから見ると、大半の方は「いらないし、使っていないのに、捨てたくない」モノなのに・・・・
まさに、そこが「親」が片づけを嫌がる最大の原因です。親世代はモノがない時代を経験しています。
そして、親の親からは、「物は大切にしないといけない」「いつか使えるから、物を捨ててはいけない」と言わ
れて続けて大人になりました。今はモノがあふれていても、三つ子の魂百までが抜けきれないのです。まず
はその気持ちを受け止めることが進めるための一歩です。

 

■親の人生や意思を尊重する
「処分する」ことが一番苦手な世代。モノを処分することで、人生を否定される気持ちになることも少なくあ
りません。モノを処分することを前提に置くのではなくて、親の人生を振り返る作業というイメージを持つ。モ
ノや写真を見ながら、モノや写真にまつわる話を聞いてみましょう。誰でも自分の人生や趣味に興味をもっ
てもらえると嬉しいものです。そして、この行為がまさに親の人生や親の意思を尊重することになります。

 

■実家の片づけを子ども世代が進めたい理由
同時に子ども世代の方々が親の家を片付けたい理由は、「自分が困るから」です。親の家が片付いてい
ないと、万が一親の身に起こったときに、自分がやるべきことが多すぎて途方に暮れてしまう。その問題を 1
つでも先に、解消しておきたい。
私にも 80 代の両親がおり、片付けの仕事を始めた 14 年前は、できるだけ早く親の家のモノでいらない
ものは処分して減らしておいてほしいと思っていました。
モノを探すと困るからと親のためのように言っていましたが、実のところは自分のためでした。

 

■口では片づけなきゃというのに・・・・
「片付けした方がもっと気持ちよく暮らせるよね。迷惑かけたくないしね。」親のその言葉を聞いて、私は実
家に行くたびに、半ば強引にモノの処分を進めていました。後から、やっぱり捨てなきゃよかったと思うものが
あったそうです。今考えると、親の意向をきちんと聞いて進めるべきだったと反省しています。

 

■私が実家の片づけをやめた理由
多くの方々のお片付けに関わる中で気づいたこと、親は何歳になっても「親」。子どもに指示されるのは、
傷つくのです。私たちは親に育ててもらいました。その親が残したものを整理処分するのは子の役目だと思
うようになりました。ただ、モノの処分には多額の費用がかかる、それを負担するのは大変なので「家を整え
て売却または、処分するための費用として余分にお金を残してほしい」と伝えました。

 

■親が片付けを始めた理由
その後、実家の片づけは親の主導で進み始めました。
① リフォームや修繕のときに、親自身がモノの多さを実感した。
→リフォーム会社の人が処分してくれると言ってくれたことで促進した。
② モノの処分に多額の費用がかかること
→処分かかるお金を、生きている間に孫にいろいろ買ってやったほうがお金を活かせると思った。
③ 怪我をしたこと。
→モノを取り出すために台にあがり落下。危険さを体感したことで、整理して手の届く範囲に必要なも
のを収納することになりました。

 

 

■実家の片づけは作業よりまずは気持ち
「親の家の片づけ問題」に関わるときは、親の意思や立場を尊重することから始まります。
「片付けるというモノの整理」を通して、親とのコミュニケーションができる絶好の機会になると思います。遠
方に住んでいる方は、帰省ごとに少しゆとりをもって、一緒にモノや写真を見ながらご両親や家族の思い
出を振り返る機会を作ることが「片付け」というきっかけになるのではないでしょうか。

 

【アドバイス】

⚫ 親の意向を尊重する
⚫ 捨てるから始めない
⚫ 親とともの親の人生を振り返る作業に伴走する
⚫ 捨てたくないものは「もらってあげる」ことで安心

 

 

プロフィール情報

江川佳代整理収納コンサルタントオフィス

代表 江川 佳代

 

 

2007年1月整理収納アドバイザーとして起業。

一般社団法人 ハウスキーピング協会 整理収納アドバイザー1級認定講師

一般社団法人 親・子の片づけ教育研究所 理事。

2007年西日本初の自宅を公開見学付のセミナーを開始。

8年間で1100名を超す人気セミナーとなる(2015年2月終了)そのほか講演会・セミナーでは、完璧ではなく「ラクに暮らせる方法」を提唱。クライアント宅での依頼では、ご依頼者に合った維持管理がしやすい収納方法をご提案している。

現在は後進の指導にも力を注いでいる。

2010年整理収納アドバイザー全国フォーラムコンペティショングランプリ受賞。

ホームページ https://www.egawakayo.com/

片付ける前に必要な5つのことメルマガ https://www.reservestock.jp/subscribe/161594