「私主婦なのに…」片付けられない悩みが深刻化する4つの理由

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片付けがブームになると、昼間のテレビ番組や主婦向けの雑誌などでも沢山の特集番組や記事を目にすることが多くなっています。また、書店の暮らしのコーナーでも片付けに関する本がずらりと並んでいます。 テレビ番組も雑誌も本も、主に主婦層がターゲットであることは明らかです。 これだけ主婦がターゲットになっているということは、主婦層に片付かない人の割合が特別に多いのでしょうか?

本来片付けられない人は、性別や、家族の有無や、仕事の有無に関係なくいます。むしろ片付かないという悩みが、他の層よりも主婦層にとっては身近で特別深刻な問題なのではないでしょうか。 なぜ主婦にとって、それほどまでに片付かない悩みが深刻なのかを考えてみました。

 

【ポイント】

1.女性であるという深刻さ 片付かない人の割合は、性別に関係なく一定数はいます。しかし、片付かない悩みが深刻化している人の割合は、男性よりも女性の方が多いようです。 男性が片付けられない場合は、ご本人よりも周囲の片付けが得意な人や、家族が悩むことが多く、ご本人はそれほど深刻ではないのかもしれません。 一般的に男女の性別によって、物事の感じ方や捉え方は異なることが多いようです。それは性別の違いによる育てられ方や、生育環境の違いも関係します。 女性の片付かない悩みが深刻なのは、女性ならではの特徴があるからです。

 

1‐1 女性性サイドと男性性サイド 性別に関係なく、すべての人には女性性と男性性が同居しています。すべてのものには陰陽があるという陰陽道(古代中国の宇宙観)によると、女性性が陰、男性性が陽です。この二つのどちらか一方が優れているという優劣があるわけではなく、バランスが大事なのです。 女性性の主な特徴は、受動的、優しさ、共感、受容、忍耐強さ、利他的 男性性の主な特徴は、攻撃的、パワー、行動、決断力、プライドの高さ、自立的 女性の方が、男性よりも通常は女性性が高く、女性性サイドの特徴をたくさん持っています。 男性の方が、女性よりも通常は男性性が高く、男性性サイドの特徴をたくさん持っています。 バランスの偏り 主婦であっても、主夫であっても、家族のために日常の家事をこなすには、女性性のサイドがとても重要です。女性の方が、男性よりも通常は女性性が高く、女性性の特徴をたくさん持っています。 しかし、特に主婦は忙しすぎたり、ストレスが多いことで、女性性サイドと男性サイドのバランスを崩しがちです。そうなると片付かない悩みが深刻化しやすくなるのです。 女性性サイドの強みと弱み 受動的であるがために、いつも家族や日常の突発的な出来事に柔軟に対応することが出来ます。しかし、時間や行動が計画通りに行かないことも多く、成り行き任せになりがちです。 利他的であるために、常に家族や身近な人、周囲の人のことを優先し、自分のことを後回しにします。そのためどうしても犠牲的な役割になってしまします。 家族の中の様々な雑事を臨機応変にこなすのですが、何かひとつのことに集中して計画し行動することがおろそかになり、なかなか家の中で物の整理収納のシステムを作ることができません。

 

1-2 周りと比較する 女性は共感力があり、コミュニティを作ったり、調和を取るのが上手です。 しかし、その反面、他人と同調しやすく独自性を表現することが苦手です。小さな狭い人間関係の中で、居場所を見つけようとする傾向が強く、価値観の基準を「周囲から浮いたり目立ちすぎたりしない」ということに置きます。 よそのうちとの比較する そのため、片付けがブームになるとテレビ番組で放映される「汚部屋ビフォア―・アフター」的な番組を観て、「うちはあそこまで酷くない」とほっとしたり、片付けというキーワードで検索して、きれいに片付いた自宅の写真を公開しているブロガーさんのブログをみて、あまりの違いに落ち込んでみたり、「家族が協力的でいいわね」なんて僻んでみたりもします。 片付かないことには変わりがないけれども、その悩みの深さが周囲の人間関係や、同じ雑誌を読む主婦層という相対の中で決まるという特徴があります。

 

2.主婦であるという深刻さ 主婦が家事を担う人だとすると、主婦にとって家事は仕事でもあります。家族思いで献身的で優しい人ほど、家事のプレッシャーが強くなります。

 

2-1 片付けは家事のひとつ? 片付けは家事のひとつであると思われることが多く、料理や洗濯などと同じように主婦が担当しがちです。 その割には、それまでの人生の中で、片付け方を学んだことがある人はほとんどいません。 ほとんどの場合は親や身近な人が片付けるのを見て学ぶか、片付いた家で暮らしたことがあるという体験から学ぶくらいしか機会がなかったのではないでしょうか。 さらに家事の中で、片付けることは生きていくために必要なこと、食べる・休むなどと比べても優先順位が低くなりやすいのも特徴です。

 

2-2 欲しいのはやりがい 家事労働は評価されにくいものです。仕事のように対価もなく、やってもやってもきりがなく、達成感が得にくいです。 それでも女性はまじめで忍耐強いので、なんとか家事をやり続けることが出来ますが、義務感や犠牲的な気持ちに陥りやすくなります。 女性が仕事に求めるものはやりがいです。片付ける作業は日々の小さな積み重ねなので、家族にとってはその小さな違いに気づきにくく、他の家事料理や洗濯などと比べて感謝されにくい家事です。 やりがいを感じられないと、やっていることに自信を失い、もともと片付け好きや得意じゃない場合は、他の家事に比べて優先順位が低くなります。

 

2-3 ひとりだと一層辛い 主婦にとって家事はどうしても孤独な作業になりがちです。 みんなで力を合わせてなにかを作り上げる共同創造が好きな女性にとっては、結果よりもそのプロセスが重要です。 結果重視で、一点集中型の男性性とは異なり、一緒に作業をしながらおしゃべりしたり、時間と場所を共有しているということに価値を置きます。 片付けのように先が見えない気の遠くなるような作業だからこそ、ひとりでやるのが辛いのです。 片づけをやらなくちゃならないということは十分にわかっているけれど、好きではないこと、得意ではないこと、気が進まないことを始めることや、やり続けることが難しくどうしても片付かない悩みが深刻化してしまいがちです。

 

3.仕事は出来るのにという深刻さ かつて仕事をしていいて今は専業主婦の人も、仕事をする主婦の人も、職場では片付けられるのに家では片付かない、と困惑している方も多いようです。 困惑すればするほど、片付かないが深刻になります。

 

3‐1 職場の片付け・家の片付け 職場、つまり勤め先のオフィスのデスク周りは片付いている状態をキープできる方が、家ではそれが出来ない。 そうなると、片付かない原因をどうしても他の家族のせいになりがちだったり、家にいる時間の短さや他のことでの忙しさのせいになりがちです。 片付けに協力的でない家族や、家で過ごす寛ぎの時間を削ってまで片付けるなんてって、それは確かにそれは本末転倒だと思います。 職場の片付け オフィスで片付けは家の片付けよりもずっとやりやすいでしょう。 なぜならばオフィスは仕事をするところなので、基本的に仕事に必要なものしかありません。 オフィス何人いても、仕事が効率的に進められるように、物の管理はシステム化されていますので、個人の片付けに関するシステム化の責任範囲は小さくなります。 家の片付け しかし家は違います。食べたり、着たり、寛いだり、眠ったり、様々な行動に必要な物が家族の分だけあります。 アイテムが多く、組み合わせは複雑で、システム化するには日常の片付けとは違う頭脳労働と作業量になります。それを一人で一篇に全部考えて、物を動かしてやろうと思うから大事になって手が出せなくなってしまします。 責任の範囲が違う 勤め先で片付けられて家で片付けられないことは、特別珍しいことではありません。 片付けに関する責任の範囲が異なるのです。 このことによって仕事が出来る女性ほど、家が片づかないことの悩みが深刻化する傾向があります。

 

4.主婦・妻・母・嫁・娘、その顔の数だけ深刻化 女性には沢山の顔と役割があります。 主婦として、妻として、母として、嫁として、娘としてそれぞれ別の顔と役割がありそれを同時進行して暮らしています。 セルフイメージが下がる 片付けられないことで、女性としての自信を失い、自分自身のセルフイメージが下がります。 更には、すべての顔と役割の数だけそれぞれが十分ではないと感じます。 片付けられない主婦、片付けられない妻、片付けられない母親、片付けられない嫁、片付けられない娘。 それぞれの顔で少しずつセルフイメージが下がり、そのことで自分により厳しくなったり、自信を失ったりして、自分に優しくなくなります。 結果、片付けられない悩みがとても深刻で、到底解決できないような気持になってしまいます。 なかには、そのように感じるのがあまりにも辛いので、片付けられない私から心理的に否認して現実逃避してしまう場合もあります。 片付かないことは主婦にとって深刻化しやすいのです。

【まとめ】

女性は女性性サイドの特徴を生かして、器用でよく気がつくので、家事や仕事や子育てを、同時並行してこなすことが出来ます。 また忍耐強く、献身的でもあるので、どうしても誰かのために頑張りすぎる傾向があります。 そのため、他の人に比べて上手く出来ていないと思うことで、自分の評価が下がり自信を失いやすいという傾向があります。 主婦で家族のために頑張っている人ほどその傾向は強くみられ、片付かないことがストレスになり深刻化しています。 片付かないを解決する方法は、片付けのプロによるサポートを受ける、片付け方を学ぶなど、様々な選択肢があります。 ただ片付いていないという状況が、主婦にとって深刻な悩みになる理由は、ご自分でご自分を責めているからに他なりません。 主婦の皆さん!是非、自分にもっと優しくしてあげましょう。

 

 

プロフィール情報

 

磯ヶ谷ふき子

こころと部屋の専門家 心理カウンセラー・コーチ・トレーナー インテリアコーディネート・スタイリング natural desigin house代表 「心がわかる住まいのプロを育てる」 がビジョンのひとつ。 これまでに100名を超える 片付けやインテリアのプロを育成。 ブランディングやビジネスサポート 心に寄り添うカウンセリングを合わせた 独自のメンタリングで評価を得る。

こころと部屋研究所 https://jyosei-life.jp/cocoro-heya/

磯ヶ谷ふき子の公式サイト https://www.isogayafukiko.com

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