人と机の関係性を見直す

オフィスでは、働く人の増減、組織の見直し、事業の変更など 業務の変化に伴い現状のレイアウトでは不都合が出てくることがあります。 机を少し移動させて何とかスペースを確保して業務を続けていても 資料を収納している保管庫から遠くなってしまった。 動線がなくなってしまって遠回りするようになった。 椅子を動かすと、後ろの人とぶつかってしまう。 など、今までとは違った不具合が起こり、 業務に支障をきたしてしまいます。 企業に多い課題は人数の増減によるスペースの活用がうまくできない。 というものです。 日本では圧倒的に引き出しのある個人用の机をそれぞれに用意して 業務を行っています。 そのため一人一人の机の周りに、担当業務が集中し、 モノや文書が滞留していきます。 作業スペースも机の幅(平均的にはW1200)に限定され 仕事の内容によっては、無理な使い方を余儀なくされます。 下のようなレイアウトの場合、変更の計画をすると、 少なくとも島ごとの移動は避けられませんし 動線を考えると、全体のレイアウト変更まで範囲を広げないと、 働きやすい環境にはならないでしょう。 そうなると、ご自身で対応するのは難しく、 業者に依頼することになります。

 

【手順】

業者に依頼する前にやっていただきたいことは、 机と人の関係性を見直すことです。 引き出し付きの机は作業と収納が一緒になっているため 固定席になりやすく、増員や組織変更が起きた場合、 人も机も一種に動くということになります。 また、個人の担当業務の書類が入っているため 業務自体が「属人化」してしまうことになり 現代のようにテレワークなどが進んできた社会では 不適当なワークスタイルだといえます。 当然、このような使い方は オフィス運用の面では効率的ではないので、 デスクワークなどの作業やミーティングをする場所と 収納場所は分けてレイアウトしましょう。 最近導入例が多いフリーアドレスのデスクシステムや、 大きな会議テーブルでも構いません。 個人が所有していた書類は共有の保管庫やデジタル化して 利用するようにします。 *属人化とは、 特定の社員が担当している業務の詳細内容や進め方が、 当人以外では分からなくなってしまう状態を指します。

 

【ポイント】

机の引き出しには個人のモノと会社のモノが混在しているので まず私物は持ち込まないようにして、会社のモノは共有化します。 限られたスペースを有効に活用するためには、 できる限り不要なものは取り除いていきましょう。 机の引き出しは無くても十分運用できます。 必要と不必要の判断を明確にすることが決め手です。

【アドバイス】

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https://housekeeping.or.jp/about_license/office-consultant-grade2/

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オフィスの整理収納については https://www.ssad.jp をご覧ください。

 

プロフィール情報

平松善久
オフィス環境診断士チーフトレーナー
情報資産管理指導者
整理収納アカデミア_マーケティング塾担当講師